「外郎」←これ、読めますか?実は小田原と所縁がある、「ういろう」についてご紹介しちゃいます!
はじめに
こんにちは!お祭り大好きWEBライターです!
最近めっきり熱くなってきましたね…少し動くだけでも汗ばむこの季節は、栄養補給が欠かせません!
皆さんが手軽なカロリー補給としてよく食べるのは、お菓子じゃないでしょうか?
というわけで、みなさん、「外郎」←これ、読めますか??
とあるお菓子の名前なのですが、小田原では結構有名です。ひらがなで表記されることが多いため、あまり見たことがない、という人もいるかもしれませんね。
正解は、「ういろう」です!
皆さんが「ういろう」と聞くと、名古屋をイメージされるかもしれません。実際、日本の三大ういろうは、名古屋、山口、阿波(徳島)のものらしいです…
しかし、小田原のういろうも負けてはいません。なぜなら、小田原では、ういろうの元祖を作ったとされる外郎家が、500年も商売を続けているからです!
もちろんお菓子のういろうも売っているのですが、実は本業は違うらしい…?
今回は、そんな小田原のういろうについて詳しくご紹介していきます!
それでは参りましょう~!
そもそも「ういろう」って何?
まず、ういろうをそもそもよく知らない、という方もいるかと思います。まずはお菓子のういろうについて、軽くご紹介していきますね!
【引用:Wkipedia】
ういろうは、米粉や小麦粉、ワラビ粉などの穀粉に、砂糖と水とを混ぜ合わせ、型に入れてせいろで蒸して作る、シンプルなお菓子です。砂糖には白砂糖をはじめ、黒砂糖もよく使われるほか、あんこや抹茶など、他の様々な材料も混ぜて作られることもあります。
もともとは黒砂糖を使ったものが起源だとされていますが、今となっては使われるものは様々。形もいろいろなものがあります。だからこそ、様々な県でそれぞれに特徴的なういろうが作られており、特に名古屋と山口のものは有名かもしれませんね。
羊羹と似ているように見えるかもしれませんが、ういろうは食感がもちもちしているため、羊羹よりもずっしり来ます!私は小豆が入ったういろうが特に好きです。
小田原とういろうの関係
さて、お菓子のういろうの紹介も終わったところで、小田原とういろうにどんな関係があるのか、説明していきたいと思います。
先ほども少し書きましたが、ここ小田原では、ういろうの名前の由来になったとされる「外郎家」が、500年もの間、ういろうの販売店を構えています。お店の名前もズバリ、「ういろう」。何を売っているかわかりやすいですよね。
そんな「ういろう」さんが実際に販売しているういろうがこちら。
【引用:ういろう】
どういうこと???と思った方が大半だと思います。
簡単に言うと、こちらのういろうは「薬の」ういろうです。実は外郎家は、もともと薬を売る家であり、現在でも薬のういろうを販売しているのです!
もちろん、お菓子のういろうも売っていますよ!
【引用:ういろう】
お菓子が食べたかったのに…という方もぜひ安心してくださいね。
ういろうの歴史
というわけでここからは、薬とお菓子のういろうの歴史についてご紹介していこうと思います!
もともと外郎家は、中国にルーツを持つ、医薬業を営む家系でした。元にもともといた外郎家の祖先は、1368年の元の滅亡とともに日本に亡命しました。そこで帰化した際に、当時元で命じられていた役職の一部をとり、「外郎」と名乗るようになったのです。
そこで初代が持ち込んだ薬こそが、薬のういろうなのです。もともとは「透頂香(とうちんこう)」という名前だそうですが、読みにくかったこともあってか、一族の名前から「ういろう」と呼ばれるようになったそうです。
【引用:ういろう】
そして、お菓子の方のういろうも、外郎家の2代目の方が考案したと言われています。初代の時代は博多に在住していた外郎家ですが、2代目の時代は京都に在住し、朝廷や幕府に徴用されていました。
そこで2代目が考案したのが、黒砂糖と米粉を練って作ったお菓子です。当時は黒砂糖は大変高価で、しかも栄養素が高い物として有名でした。医薬業を扱う家として、栄養価の高いものを、と考えて提供していたお菓子ですが、その味が評判となり、こちらも家名から「ういろう」と呼ばれることになりました。これが、現在に伝わるういろう発祥の一説となっています。
【引用:献立レシピ】
そうして家業を営んでいた外郎家は、5代目の時代に小田原へと移ることになります。医薬業の傍ら、武家としても仕えていた時代があるそう。
薬のういろうを主に売っていた外郎家ですが、明治末期からはお菓子のういろうも売り出すようになります。そして現在に至るまで薬とお菓子を売る「ういろう」として、創業から実に650年も続いている、由緒正しいお店となったのです。その内の500年も小田原にいるのですから、小田原を支えるお店の一つと言っても過言ではありません。
余談ですが、江戸時代にはういろうの作り方はすでに日本全国に広まっていたらしく、当時の「ういろう」さんは薬しか売っていませんでした。だからこそ、現在ではお菓子のういろうが各地で有名になっており、小田原のイメージがないのかもしれませんね…
おまけ~歌舞伎でも「ういろう」に歴史が…~
さて、ここで少し余談を。皆さんは「外郎売」という言葉を聞いたことがありますか?
「拙者親方と申すは、御立会の中に御存のおかあもござりませうが、お江戸を立て二十里上方、相州小田原…」
なんて、歌舞伎の口上であり、現在では伝統的に声優やアナウンサーの方の発声練習として取り入れられている文です。
【引用:小田原市】
実はこれはもともと、薬のういろうを売るためのコマーシャルとして作られたものなんです!
外郎家の歴史とその効能を謳った口上は、現代まで残るほどの歴史を残し、今では(意味が残っているかは置いておいて)活舌をよく発声するための練習としてうってつけな文として残っています。
ういろうを買うためには?
ここまでご紹介してきましたが、皆さんもういろうに興味が出てきたのではありませんか?
小田原の薬のういろうも、お菓子のういろうも、ここ小田原で直接買うしか、手に入れる方法はありません!
株式会社ういろうさんには2つ店舗があり、支店の方(ういろう駅前調剤薬局店)については、以前こちらの記事でご紹介していますので、詳しくはそちらをご覧ください。アクセスがとても良いところなので、お菓子のお土産がほしい場合はこちらをおススメいたします!
しかし、私はぜひ本店の方に足を運んでいただきたいと思っております!(建物自体がとっても素晴らしいですよね…!)
【引用:ういろう】
本店では、支店では買うことのできない、薬のういろうも購入することができるだけでなく、外郎博物館という施設が敷地内にあり、無料で見学することができます!
【引用:ういろう】
敷地内の蔵を改築した小さな博物館ではありますが、ういろうの歴史を詳しく知ることができます!先ほどご紹介した「外郎売」との関係まで紹介されています。店員さんに声をかけるだけで見せてもらえますので、必見です。
もちろんお菓子のういろうも絶品ですので、ぜひお土産にどうぞ!併設のカフェでその場で食べることもできますので、味を試してみてから購入することもできますよ~
ぜひ小田原に来た際には訪れていただきたいスポットです!
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株式会社ういろう 本店
神奈川県小田原市本町1-13-17
0465-24-0560
https://www.instagram.com/odawara_uirou/
定休日:毎週水曜日、第三木曜日、12月31日、1月1日
営業時間:10:00~17:00(喫茶L.O. 16:00)
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さいごに
今回は、小田原との関係が深い「ういろう」についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしたでしょうか?
どんどんと暑くなってきて、夏バテをしやすくなるこの時期ですが、そんなときこそういろうを食べて、栄養補給は忘れずに!
小田原でしか食べられないういろうを、ぜひ楽しんでもらえると嬉しいです!小田原に来たときには、ういろう三昧の旅行をしてみるのも良いかも?
それではまた、次回以降の記事でお会いしましょう~