美しい木目が特徴の小田原の伝統工芸品、小田原漆器について解説!実はあのご当地グルメとの関係も…?!
はじめに
こんにちは!お祭り大好きWEBライターです!
今回は、小田原が誇る伝統工芸品、「小田原漆器」についてご紹介していきます!小田原に訪れたなら、ぜひとも手に取っていただきたい一品です。
木目の美しさだけでなく、実用性も兼ね備えた小田原漆器は、一度使ったら病みつきになること間違いなし!
【引用:伝統工芸 青山スクエア】
そんな小田原漆器について、その歴史から、作り方、魅力までじっくりご紹介しちゃいます!この記事を読めば、小田原漆器を手に取りたくなること間違いなし!ぜひ最後までご覧ください!
小田原漆器の歴史
小田原漆器の始まりは、室町時代の中期までさかのぼります。
箱根山が近くにある小田原では、その近辺の山々から豊富な木材(特にケヤキ)を使用し、それらをろくろを使って削ることで器を作っていました。そこに漆を塗り、加工したのが小田原漆器の始まりだと言われています。
【北条氏康 引用:小田原城】
その後、北条五代のうち3代、北条氏康は、城下町に塗師(漆塗りの職人)を呼び寄せ、小田原漆器を振興していきます。江戸時代にはその技術が確立し、定期的に江戸へと漆器を出荷するようになりました。
小田原漆器の特徴である、木目の美しさと頑丈さを兼ね備えた作品のスタイルが確立されたのもこの頃です。当時から既に、お土産品としての人気を博していました。
そこから現代まで技と伝統を受け継ぎ、1984年に経済産業大臣が指定する、伝統工芸品に選出されています。
小田原漆器は、約700年の歴史を持つ、由緒正しい工芸品なのです!!
小田原漆器の製法
ここからは、小田原漆器の具体的な製法についてご紹介していきます。
①粗挽き
【引用:大川木工所】
まずは木材を大体の形に削っていく作業です。木工旋盤という機械に木材を取り付け、しっかりと固定し、作りたい形に削っていきます。
お盆やお椀など、作りたいものによって当然削り方は変わってきますし、使う木材やそのコンディションによっても削り方は変わってきます。それらに合わせて使う工具を変えているんだそうですよ!
②乾燥
【引用:大川木工所】
大体の形が作り終わったら、段階に分けて乾燥していきます。
燻煙乾燥機(木材を燃やした煙の中で乾燥させる機械。水分が徐々に抜けるので割れにくいそうです!)を使って3~4日かけて乾燥させます。その後、割れないようにボンドを塗ったのち、電気乾燥機で2週間乾燥。そして、その後2か月から半年、天候の様子を見ながら自然乾燥させていきます。
ゆっくりと乾燥させることで割れてしまうことを防いでいるのですが、それにしても手間がかかっていますよね。ここまでの手間で、美しく、使いやすい小田和漆器が作られています。
③木地加工
【引用:大川木工所】
乾燥が終われば、やっと仕上げ、木地の最終的な加工です。ここで登場するのが、小田原漆器の作成に特徴的な、「ろくろ」です。
ろくろに固定したお椀やお盆を回し、それに刃を当てて削ることで最終的な調整をしていきます。木地の表面を滑らかに加工し、最後にやすりで仕上げをします。
これで、器の形は完成です。
④漆加工
【引用:日本工芸堂】
できた器に漆を塗って、いよいよ完成に向かっていきます。小田原漆器には代表的な塗り方が2種類あるので、それぞれ順番にご紹介していきますね!
・摺漆塗り(すりうるしぬり)
生漆(きうるし)と呼ばれる、漆の木から直接採取したままの樹液を器に塗り、綿布で拭いた(摺った)後、1~2日かけて乾燥します。この工程を7~8回繰り返すことで、素朴な木目の美しさや木材の香りが感じられる漆塗りの方法です。
・木地呂塗り(きじろぬり)
錆漆(さびうるし)と呼ばれる、砥石の粉末と生漆とを混ぜ合わせた漆を幾重にも塗り、乾燥させた後に磨くことで、より木目を際立たせることができる工法。木地呂漆と呼ばれる透漆(透明度の高い漆)をその上に三度塗り重ねることで、木目が際立って透けてくるような仕上がりになる、漆塗りの方法です。
二度目に漆を塗るときに、色付きのものに変更することで色味を出した作品も作ることができます。
こうして漆塗りをすることで、ようやく小田原漆器が完成します!乾燥だけでも時間がかかるのに、漆塗りは漆を何度も塗り、乾燥させる工程が入ってくるので、もっと時間がかかります。
また、職人さんの気持ちがふんだんに込められた小田原漆器は、一つとして同じものがありません。その分お値段が少し高めかもしれませんが、長い時間と技術に裏付けられた丈夫さと使いやすさは、値段以上の価値があります!!
小田原漆器の工房紹介
ここからは、小田原漆器を手に入れたい!と思った皆さんに、実際に小田原漆器を手に取って、購入もできちゃう工房をご紹介します!
・大川木工所
【引用:大川木工所】
昭和元(1926)年創業の小田原漆器工房。漆の研ぎ出し体験も実施していますので、自分だけの漆器を作る体験もできちゃいます。公式の通販サイトも運営していますので、そちらで購入も可能です!
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大川木工所
神奈川県小田原市南板橋2-226-2
http://okawa-mokkoujo.com/index.html
0465-22-4630
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・漆ISHIKAWA 石川漆器
【引用:レアリア】
明治20(1887)年創業の長ーい伝統があります。その伝統的な漆器と、現代に適応した漆器は必見。店内に江戸時代の写真などの展示もありますので、歴史を感じられること間違いなし!
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石川漆器
神奈川県小田原市栄町1-19-16
インスタグラム:https://www.instagram.com/urushi_ishikawa/
0465-22-5414
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・薗部産業
【引用:薗部産業】
昭和24(1949)年創業で、今回ご紹介する中では一番若い企業ではありますが、生活に根付いたものづくりを大事にしています。輸出入事業も手掛けており、小田原漆器だけではない製品も見ることができます。
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薗部産業(小田原漆器事業)/クラフト木の実(輸出入事業)
神奈川県小田原市桑原867-8
公式サイト:https://konomi-net.com/
インスタグラム:https://www.instagram.com/sonobe_sangyo/
薗部産業:0465-37-5535
クラフト木の実:0465-37-3531
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小田原漆器は小田原どんの最低条件!!!
さて、ここまで小田原漆器についてご紹介してきましたが、そんな小田原漆器を使った、小田原のご当地グルメ、「小田原どん」にも少し触れていきましょう!
【引用:小田原ブランド元気プロジェクト】
小田原どんとは、2009年から提供している、ここ、小田原で食べられるご当地どんぶりです!お店によってそのどんぶりの内容は様々。え?料理の名前なんだから、どこの店で食べても大体一緒でしょ…?と思ったそこのあなた。小田原どんは一味違うんです。
小田原どんを名乗るための条件は以下の三つ。
一、小田原の海と大地で育まれた新鮮な食材を、一つ以上用いること
二、伝統工芸品・小田原漆器の器に盛って饗すること
三、お客様に満足していただき、小田原をさらに好きになっていただけるよう、おもてなしすること
と、こんな風に小田原産の新鮮な食材を使っていれば小田原どんを名乗ることができるので、お店によって丼の具材がまるっきり違うんです!肉から魚まで、様々な丼が楽しめますよ!
また、小田原漆器を絶対に使用しなければいけない、とのことで、器にもこだわっています!目でも口でも楽しめる小田原どんについては、今後の記事でまた詳しくご説明しようと思っていますので、楽しみにしていて下さい!
さいごに
今回は小田原が誇る小田原漆器についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
一度使ったらもう他のものには替えられない、そんな美しく実用性も高い小田原漆器について知っていただけたら何よりです!
ぜひ小田原に来て、実際に小田原漆器を手に取ってみてくださいね!それではまた、次回の記事でお会いしましょう~!